いろいろな焼成方法
焼成(焼くこと)には、窯が必要です。その種類も、本格的な燃料に薪を使う窯もあれば、電気窯、ガス窯、灯油窯などがあります。また、それぞれの窯に特徴があり、用途に合った窯を選ぶ事が大切です。七輪窯もその中の1つです。
素焼き
作品が、完全に乾いたら、いよいよ素焼きをします。素焼きと言うのは、焼成温度が、約900℃未満で焼かれた焼き物です。例をあげるなら、レンガやテラコッタのようなものです。
素焼きを終えた器は、水を透します。だから、テラコッタのような、園芸用の鉢などに向いています。しかし、カップや食べ物を盛り付けをしたりするのには、向いていないでしょう。
釉薬を掛けたりするのは、素焼きが終えた後行ないます。なぜなら、釉薬は水に溶いて使用しますので、素焼きを終えて水を吸いやすくなっている状態の器を、釉薬を溶いた水の中に入れれば、水と一緒に吸い寄せられ器に張り付くという事なのです。
本焼き
素焼きを終え、釉薬を施した後、いよいよ本焼きです。本焼きの工程は、それぞれの窯によって、やり方が違います。焼成温度は、1250℃前後です。窯や、窯の大きさによって焼成時間は違うのですが、普通の電気窯でだいたい5~10時間くらいでしょう。本格的な登り窯になると、1週間~10日以上もかける事もあります。
それぞれの窯の特徴
電気窯、ガス窯、灯油窯、登り窯と様々な窯ですが、それぞれに特徴があります。
電気窯
今、最も普及しているのは、電気窯でしょう。その特徴として、マイコン制御があります。スイッチをオンにすれば、後は、勝手に焼成してくれます。忙しい人には、もってこいの窯でしょう。
また、電気窯は、酸化焼成には最適の窯です。また、還元焼成には、ガスバーナーを取り付けて焼成します。しかし、還元焼成をすると、電熱線の寿命が極端に短くなります。だから、電気窯は、酸化焼成に最適な窯といえるでしょう。最近では、家庭用の電気窯も多数販売されています。それだけ使いやすい窯といえます。カタログ(陶芸窯、その他の機器)を参考にするといいです。
ガス窯
電気窯の次に扱いやすいのが、ガス窯です。ガス窯は、酸化、還元焼成のどちらも問題無く焼くことが出来ます。しかし、燃焼時に大量の空気がいるので、換気を良くすることが大切でしょう。このことから、家庭向きではないようです。大きなスペースが必要です。
灯油窯
燃料代が安く、一番経済的な窯です。酸化、還元焼成が共に簡単に出来ます。しかし、燃焼音が大きい事と、燃焼時に灯油独特の匂いが出ます。換気がしっかり出来る場所で焼成しなければならないでしょう。このことより、家庭向きではありません。
登り窯
斜面を利用して、いくつかの部屋がつながった窯で、下の窯の余熱を有効利用する事が出来ます。燃料には、薪を使います。伝統的な窯で焼き上げた作品は、自然釉が、たっぷりと掛かります。また、炎が当たる所とそうでない所では、風合いも違い、その時々で偶然の一品が期待できる窯でもあります。