七輪陶芸で使う炭
陶芸では、燃料に薪を使います。(電気窯には、電気。灯油窯には、灯油を使います。)しかし、七輪窯には、炭を使うのです。
炭の種類
炭はいくつかの種類に分けられます。
炭には、白炭、黒炭、竹炭などがあります。七輪陶芸では、主に黒炭を使います。なぜなら値段もお得で、どこにでも売っているからです。
白炭(しろずみ)
白炭の代表的なものに備長炭などがあります。備長炭は聞いた事がありますよね。焼き鳥屋さんなどで多く使われています。
この白炭は、温暖な地域にのみ生育する馬目樫(ウバメガシ)という硬い材質の木を使用してます。それを、1000℃以上の高温で焼いて仕上げています。また炭材には、楢(ナラ)や樫(カシ)なども多く使われています。
黒炭(くろずみ)
黒炭は、クヌギやコナラ、カシなどを炭材に使います。また焼く温度も白炭よりも低い、約400~700℃くらいです。炭質も柔らかで火のつきもよく、速く燃えて高温になります。
七輪陶芸は窯の温度を1300℃まで上げなければならないので、高温になる黒炭は適していると言えるでしょう。しかし早く燃え尽きてしまうため、何回かに分けて炭を補充しなくてはなりません。またその分たくさん使うと言う事にもなります。
竹炭
竹炭の炭材は、マダケ(真竹)やモウソウチク(孟宗竹)ハチク(淡竹)などが使われます。1,000℃以上の高温で焼かれた竹炭は、備長炭の数倍の吸着性があります。そのため粒状にした竹炭は、消臭材などに活用されています。
うちでは、下駄箱の中に入れています。また、インテリアとしても使われる事がよくあります。最近とっても注目されている炭の1つです。
七輪陶芸で使われる炭
七輪陶芸では、主に黒炭を使います。価格的にも安い黒炭は炭の種類で述べたように、高温になるという性質があるからです。だからといって、白炭が悪いという事ではありません。白炭は火力が安定していて長持ちします。しかし、価格は黒炭の2,3倍はするでしょう。高級なうなぎの蒲焼でも焼くのであれば、そんな高い炭を使うのも良いでしょうが・・。
黒炭の中でも白炭に近いものもあります。比較的高い温度で焼かれているのではないかと思いますが、よくは、分かりません。しかし、確かに、燃焼時間は長く、安定した温度を保っています。
この比較的、白炭に近い黒炭の見分け方は、触ったらすぐに分かります。明らかに硬い。白炭に代表される、備長炭は、叩くと澄んだ音がするほど硬いです。黒炭の中にも堅い炭があります。
ホームセンターなどに行くと、炭の中身が見本として置いてある所があります。確かめてみるのも良いと思います。
炭による釉薬の効果
釉薬の中には、灰釉と言うものがあります。木や草などを焼いた灰で作ります。七輪陶芸では、炭の中に直接、陶器を入れて焼くので、自然に炭の灰がかぶります。
また、備前焼などは、登り窯の中に直接炭を入れて、釉薬の効果を出しているところもあるくらいです。炭の灰は、それだけで綺麗な釉薬になると言う事ですね。
炭についてのまとめ
七輪陶芸での炭の役割は、陶器が焼ける為に必要な温度1250℃以上で焼くという事と、釉薬としての役割があると思います。また、黒炭でも、堅い炭を使う事で、燃焼時間が少し長くなったりするということです。私の経験では、柔らかい炭を使うと、器の表面に溶けきれない灰などが付着して出来上がりが良くない事があります。
炭は、売られているところによって違うと思いますので、色々と試してみてはいかがでしょう。私は、10kg500円から1000円前後のものを使っています。今までで、一番使いやすかったのは、某ホームセンターナフコの炭で10kg980円の炭です。試してみてはいかがですか。