全国陶磁器フェアー2004
陶芸ファンなら、やっぱりいってみたいのが、全国陶磁器フェアーです。
全国、北は北海道から南は沖縄まで、100以上の窯元とそれに関連するお店が一同に集結する、このイベントを見逃すわけには行きません。
私も陶芸を始めるころから行っていますので、今回で3回目になりますが、ますます、充実したイベントで、楽しませてくれます。
特に今回は、焼酎のイベントが一緒になっていたため、焼酎ファンの方も楽しめたのではないでしょうか。
イベント会場である、マリンメッセ福岡は、色んなイベントがある会場です。数年前には、世界水泳が開催され、あのイアン・ソープが金メダルを取った場所です。
中は、とっても広くて、その会場内に、所狭しと、窯元のブースが並んでいます。一つ一つ見て歩くのも大変でした。
その中にも、陶磁器と深い関係のある(本当は、よく知りません)、華道のコーナーが、会場真ん中の通路に設けてありました。
そんな、煌びやかな華道のコーナーを尻目に、私が向かったのは、焼酎のブースです。
私は、始めの予定では、日曜日に行く予定だったのですが、新聞広告を見ていると、今回の焼酎イベントの中に、森伊蔵、魔王が定価で買える抽選が、金曜日にあるということで、急遽、金曜日に行く事にしたのです。
その抽選券を貰うために会場に入るや否や、私は、焼酎のブースに向かったのです。
その甲斐あって、私は、見事!魔王の4合瓶が当たり定価の1,500円で買う事が出来ました。
しかし、1番違いで、森伊蔵を逃すという残念な思いもしたのです。(今、森伊蔵というと、市場価格で3万前後はします。それがなんと2,600円くらい。
なんといいましょうか、この焼酎ブームで誰が儲かっているのやら、焼酎ブースの近くにいた人とそんな話をしながら・・。)
この、陶磁器フェアーのイベントの1つに、轆轤のデモンストレーションがあります。(あまり横文字が似合わないですが・・)
陶芸教室では、おしえてくれない轆轤のテクニックを、惜しげもなく、また質問に答えながら解説していただけると、実際に陶芸教室に通われておられる方が、真剣に見入っておられました。
その解説もわかりやすく、丁寧に教えてくださるため、いつもここは人気があるのです。(お話しながら、右の写真のような作品が次々と出来ていくんです。まさにハンドパワー)
その隣では、轆轤体験が出来るブースがありました。陶芸教室赤ぴーまんさんが主催されていて何人かの方が轆轤体験(無料)をされていました。
いよいよ、窯元ブースめぐり日本一周です。
やはり、一番興味を持ったのは、私が一番好きな備前焼でした。備前焼には、独特な色合いと感触があり、見入ってしまいます。
特に、2年ほど前から目をつけていた、窯元である、丸山窯・吉延美山氏の備前焼には、魅了されます。
写真左は、ぐい呑みなんですが、内側の部分が黄金色に輝いています。そのほかにも、こういった作品がありました。普通、備前と言うと、こげ茶色や、黄土色に茶色の焼色がついている物が多いのですが、丸山窯はちょっと違います。
ちょっとここでミニ知識、備前焼には、胡麻(ゴマ)や火襷(ヒダスキ)、棧切り(サンギリ)などが有名です。
胡麻(ゴマ)は、登り窯の燃料である、赤松の灰が、自然にかかり、それが解けて釉化してゴマがかかったように見えることからその名前が付いたそうです。
火襷(ヒダスキ)は、作品同士を重ねて焼く時、くっ付くのを防ぐために、わらを敷いていました。そのわらの部分が赤茶色のスジになっているような作品の事です。今では、この火襷(ヒダスキ)は、人工的に、電気窯などで焼かれる事が多いようです。
棧切り(サンギリ)は、作品が灰に半分埋れ、半分は胡麻がかかり、もう半分は灰の中で還元成形になっている作品です。これも人工的に仕組まれる事があるそうです。
そして左の写真は、炎(ほむら)と言います。これは、炎の道を作り作品に炎があたる事によって出来る作品です。
外側に出来る事はありますが、この作品は、ぐい呑みの内側にその炎(ほむら)が現れています。炎の道を予測しないと出来ない作品なのでしょうか。
そして、右側の写真は、青備前です。青備前は、灰に埋もれることで、還元焼成になり、青色に発色することから来ています。 食塩を使った青備前は、食塩青といいます。まさにこれが食塩青なのです。素晴らしい作品でした。
これらの作品はとても値段が高く買えなかったのですが、自分用にこの丸山窯で、ビール兼焼酎用カップを買いました。それでもやっぱり高かった。今年の夏はこのカップでビールをたらふく飲むぞ!
本当に広いマリンメッセ福岡です。見て回るのはいいのですが、どこに何があるのか分からない。会場案内図をもらったけどよく分からない。昼食をとりながら、次にどこに行こうかなどと考えていたところ、忘れていました。プレゼントクイズの景品を買うのを・・。
ということで、プレゼントクイズの景品を選びにまた、窯元ブースめぐり日本二周めの幕開けです。
しかし、いつの間にか、景品選びなのに、自分の欲しいもの選びになっていました。そこで、途中、見つけたのが、常滑焼窯の焼酎サーバー です。
これが、いい!なんともいえない風合いを持ち、しかも、焼酎まで上手くしてくれる焼酎サーバー は焼酎ファンであれば、みんな欲しがる一品ではないでしょうか。(ほんと欲しかった・・。でも高くて買えませんでした・・。)
それでは、プレゼントクイズの景品の紹介です。
まず始めに、小石原焼のおたま置き皿(筑前小石原焼 上鶴窯元)。小石原焼といえば、福岡県を代表する、やきものです。福岡県小石原村で作られるこのやきものの特徴は、とびカンナと呼ばれるカンナで出来る独特の模様です。
次は、宮崎県 綾城窯のビールカップです。釉薬がとっても綺麗だったのでこれにしました。
同じ、宮崎県のみやこのじょう太郎窯のそらぎゅうです。そらぎゅうとは、底の部分が尖っていたり、杯の底に穴が開いていたりするぐい呑みです。いったん注がれると飲み干すまで置く事が出来ないという物。なんとも困ったぐい呑みです。
以上、5点がプレゼントクイズの景品です。クイズの応募はこちらです。
そして、みやこのじょう太郎窯には、黒じょかがありました。
黒じょかとは、鹿児島地方で芋焼酎の燗をつける時の酒器です。昔の人は、この黒じょかに、あらかじめ割り水をした芋焼酎をいれ、囲炉裏の杯で温めて飲んでいたそうです。(黒じょかの焼酎を飲み干すと、次の日の焼酎を入れてまた囲炉裏の側で燗をつける。それを毎日繰り返していたそうです。)
黒じょか、欲しかったんですが、今、七輪陶芸で製作中なんです。黒くない黒じょかが出来そうですが。
この模様は、出来上がり次第レポートとしてお知らせします。今、素焼きを終えたところです。ご期待下さい!(と、言いたいところですが・・・。)
今年も、とっても楽しかった全国陶磁器フェアーでした。焼酎も買ったし、お気に入りの備前焼カップも買ったし。また来年も楽しみにしたいと思っています。
余談ですが、私の買った物は、酒器が殆んどのような・・。そんなことを言わないで下さい・・。