青磁について
朝鮮半島で青磁が作られたのは、9~10世紀の高麗王朝の頃だといわれています。その頃中国から入ってきた、お茶がたちまち大流行し茶道具として使われていた青磁は中国からの輸入だけでは足りず、高麗の人々は自分たちの手で青磁を作ることにしました。
こうして作られた器は、その頃の王朝の名を取って「高麗青磁」と呼ばれるようになりました。
釉薬には、基礎の灰釉薬に微量の鉄分が加わることによって青(緑色)に発色します。これは、還元焼成によって釉薬中に含まれる鉄分が酸化第一鉄となり、このような発色がみられるようです。地球上には鉄分が多いので、最初の釉薬は青磁系であったかも知れませんね。
この鉄分の、量と、焼成の変化によって様々な色の青磁が生まれます。話はそれますが、七輪陶芸の自然釉は、濃い緑色をしています。これもとっても綺麗ですよ。
また、釉薬が厚くかかったところはより濃く深い青から緑色となり、素地に彫りを入れることによって色の濃淡を 活かすことが出来ます。これによって、あの青磁の美しい模様が浮き上がってくるのです。
青磁の翡翠(ひすい)のような緑色は古くから日本でも珍重されてきました。また、形や彫りの美しさは、誰が見ても魅了されることでしょう。